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広島市がイスラエルあてに送った平和記念式典の招待状の控え=2024年5月31日午前11時31分、広島市中区、興野優平撮影

 広島市が今年8月6日に開く平和記念式典で、パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルに送った招待状に「一刻も早い停戦」を求める文言を入れていたことが、市への取材でわかった。ウクライナ侵攻が始まった2022年以降、市がロシアとベラルーシを招待しない一方、今年の式典にイスラエルを招待することが物議を醸していた。

 市は5月29日、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領と駐日大使あてに招待状を発送した。文面で「現在起きている武力衝突により、多くの人々の命と日常が奪われている」と指摘し、「極めて遺憾」「一刻も早く停戦し、対話により問題解決することを願っている」などとした。

 さらに「このような時だからこそ、戦争による殺戮(さつりく)を体験した被爆者の『こんな思いを他の誰にもさせてはならない』という平和のメッセージに触れ、核兵器の廃絶を含めた平和な世界の実現への一歩を踏み出してほしい」とも記している。

 ロシアとベラルーシには同日、招待状ではなく駐日大使あての書簡を発送。「日本の姿勢について各国代表等に誤解を生じさせ、式典の円滑な挙行に影響を及ぼすことがないようにする観点から」招待は見送ると説明。「現下の問題を一刻も早く平和裏に解決」し、近い将来の広島への訪問を切望するとした。

 ガザでは昨年10月、イスラ…

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